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バトルツイッタラー・ジョー

ジョー「こ、こ……」


ジョー「これが、Twitterのコアーーーーー!?」


(宙に浮かぶ、白くて硬質でなんか謎に眩く光り輝いている巨大なTwitterの鳥マーク。と、それを見上げる三人の子供と一人の大人)


ホウ「すごい! みんなの呟きがいっぱいです、ジョーくん!」


リョウ「フン、Twitter社の公式サイトを開けばすぐに出てくる光景だ。そんなものにはしゃぐとは、いかにもお子ちゃまらしい」


ジョー「なんだとー!!」


ホウ「まあまあ……」


ウィル「こうも感動してもらえると、案内しがいがあるね!」


ジョー「ウィルさん!」


ホウ「今日はありがとうございます!」


ウィル「どういたしまして。君たちほどのバトルツイッタラーに会えて、僕も光栄さ!」


ジョー「いやあ~参ったなあ、はっはっは! 壁にサインとか書きましょうか!?」


リョウ「ハァ……こっちは見学させてもらっている立場なんだぞ、もっと謙虚になれ」


ウィル「あっ、あれ?」


ホウ「ウィルさん、どうかされましたか?」


ウィル「あ~ごめんごめん、渡したいものがあったんだけど、デスクに忘れてきちゃったよ。急いで取りに行ってくるから、待っててねーーー!!」


(走り去るウィル)


ジョー「ふーん。ウィルさんって意外とおっちょこちょいなんだな~。あとでこれツイートしとくか!」


ホウ「ちょっと、ダメですよ! そういうのは本人の許可を取ってからでないと!」


ジョー「ちぇー、真面目だなーホウは。」


ホウ「また炎上しますよ!」


ジョー「またって何だよ! オレ炎上したことないぞ!」


リョウ「……?」


(柵にもたれかかっている男がいることにリョウがいち早く気づく。無精髭を生やし、ボサついた長髪を無造作に後ろで纏めている武士風の男だ)


???「………ふっ」


リョウ「……なんだ、あの男……」


ジョー「リョウ、どうかしたのか? ……って、誰? あのおっさん」


???「Twitterか……懐かしいねえ」


ジョー「懐かしい? おっさんはTwitter辞めちゃったのか?」


???「さあな……なあ、ボウズ。Twitterは好きか?」


ジョー「もっちろん! オレは毎日毎日ツイートも、リツイートも、いいねだってしてるぜ!」


???「ははは、そうか……。俺にもそんな時期があったなァ……っと!!」


ガキィン!!!


(瞬時に飛び上がり、体内のインターネット・パワーを集約した刀(以下、情強刀)でTwitterのコアを斬りつける。しかしコアには傷一つ付かない)


???「硬えな。流石3億ユーザーを抱える大SNS様だ」


ジョー「なっ――!?」


???「いや、インタレスト・ネットワーキング・サービス……だったかな?」


ジョー「何すんだよ!!」


???「何って、Twitterを破壊しようとしてんのさ」


ホウ「あ、あわわ…」


ジョー「なんでそんなこと!」


???「……Twitterは、人類には過ぎたオモチャだったってことさ」


バァン!


ウィル「お待たせ、資料取ってき……お、お前はッ!」


???「よお、久しぶりだな元フォロワー。確か本名は……ウィル」


ウィル「ジャック……!!」


ホウ「知り合いなんですか!?」


ウィル「お、お前がどうしてここに!? 何故こんなことを……!」


ジャック「はははは…! 理由なんざァ、どうでもいいだろ。そんなことより、お前の個人サイト、まだ見てるぜ。全然更新されてねえけどよ……」


ウィル「それがどうし……」


ジャック「『キリ番5000』踏みました。
リクエストは……
『お前の首』だァッ!!!」

ズバァッ!!!!!

ウィル「ぐわああああああああああ!!!!!」


(情強刀で斬られ吹っ飛ばされるウィル)


「ウィルさん!!!」


ウィル「ぐっ……こんなことをしても……誰も救われないぞ……」


ジャック「そうかい。けどなァ、俺の考えは変わらねーよ。
SNSを辞め、俺は人の意見に流されにくくなった。
誰に何と言われようと、俺はTwitterを……粉微塵に破壊するッ!!」


リョウ「この男……只者じゃないな」


ホウ「どどど、どうしましょう!?」


ウィル「ジョーくん……友達を連れて逃げるんだ。君たちのかなう相手じゃない……」


ジャック「そうだぜ、ボウズ。この建物にいるツイ廃製造機どもは全員倒すが、無関係なお前らは見逃してやってもいい」


ジョー「ふざけるなッ!!」


ジャック「……あァ?」


ジョー「Twitterは、みんなにとって大切な場所なんだ……」


ジャック「!? なんだってんだ、このパワーは……」


ジョー「それを破壊するなんて、絶対許さない! 正しい使い方をすれば、Twitterは人のためになるんだッ!!!」


(ドン!! シュインシュインシュインシュイン!!!!)


ホウ「ジョーくんの怒りが、インターネット・パワーを倍増させてる!?」


リョウ「チッ、暴走するなと言ったばかりなんだがな」


ジャック「ほう、面白ェ……。そんなお前に見せてやろう。
俺は10年Twitterをやったがな……
その結果がこれさッ!!」


(右腕の包帯を剥ぎ取ると、そこには機械の手が!)


ホウ「ひいっ! サ、サイボーグ!?」


ジャック「Twitterのやりすぎで俺の右腕は壊死……サイボーグ化することでなんとかなったが……他に失われたものは戻ってこなかった」


ウィル「……ジャック……」


ジャック「人はTwitterに依存する。何故か?
そうなるように作っているからだ。ここにいる奴らがな。
みな自分の意思だけでは逃げられない。
だから、こうやって誰かが破壊しなければ、誰も救われねえんだよッ!!」


ウィル「あの頃の……Twitterを楽しいものにしようとしていたお前は……もう戻ってこないのか………ジャック……!」


ジョー「……ウィルさん。オレ、負けないよ。あいつ、ウィルさんの昔の友達なんだろ? 絶対に目を覚まさせてやるぜ!」


ホウ「ぼ、ボクも戦います! ボクを救ってくれたTwitterが無くなるなんて、絶対に嫌ですから!」


リョウ「フッ、お前らが出る幕はない。このオレ様が完封してやる」


ウィル「ジョーくん、ホウくん、リョウくん……面目ない」


ジャック「全員まとめてかかってこい。あのウィルでさえ俺にかかれば一撃だぜ? Twitter歴一桁のガキが何人束になろうが変わらねえのよ」


ジョー「そんなの、やって見なきゃ分かんねーだろ!!」


(ジョーは拳を、ジャックは情強刀を構える)


ジャック「ブログ侍・ジャック。いざ尋常にバトる!」


次回予告

オレ、一日(ツイタチ)・ジョー!


オレたちがTwitter本社を見学してたら、ブログ侍とかいう変なおっさんがTwitterを破壊しようとしてきたんだ!


そんなの絶対許せねえ!
オレがみんなのTwitterを守ってみせる!


次回、「個人サイト勢、迫る」!


次回も爆裂いいねと超絶RTで、バズりまくるぜ!!!!!


エンドカード


メモ

・Twitter卒業に向けた一次創作(?)。俺の右腕は壊死していないので安心してほしい。
・Twitterのコアって何? コアって何って何? コアだが? この世界のインターネットはこちらの世界とは仕組みが違うらしい。とにかく、Twitterのコアを破壊されるとTwitterが消滅しTwitterの本社も爆発四散するということだけ分かっていればOK!
・情強刀はほぼライトセイバーだけど光の刀というよりは刀が光ってるように見える感じ。伝わるかな?ソリッド感があるってことなんだけど。
・ウィルはメガネのビジネスマン。Twitterを作ったうちの1人。
・ジョーは完全に語感だけで名付けた。リョウも語感だが、最後の1人は情報量トリオにするためにホウにした。
・ジョーは前髪がTwitterの鳥アイコンになってそう。真っ直ぐすぎてすぐ騙されるのでインターネットに向いてないと言われがち。リテラシーテストはドベだが、たまに類稀な直感を発揮して真実を見抜くことも。イメージカラーは赤と水色。
・ホウは女の子に見える男の子。日系台湾人。劉邦みたいな感じのフルネームだけど漢字では鳳。現実では引っ込み思案だが、インターネットでは顔が広い。実況が得意。イメージカラーはライトグリーン。
・リョウはポケモンのシンジみたいな見た目のイメージがある。リテラシーが高い。クールで俺様気質のように振る舞うが、案外ノリが良く、面倒見も良い。ホウに対してちょっと過保護。イメージカラーはディープブルー。
・インターネット・パワーには種類がある。オーソドックスなのがリテラシー。バズ、コミュ、扇動、批評など人によって異なる。ハッキングなどガチのダークウェブ・パワーは禁忌。
・ウィルとジャックはTwitterの設立者から名前貰ってる。ジャックは立場的には追放されたノアの方が合ってたかもしんない。でもこれ語感なんで。
・(ネタバレ)ワクチンを打って5Gに接続する展開は無い。
・(メタ視点)リョウ×ジョー派多そうだけど俺はリョウ×ホウが好き。

2021.6.17